『「先」に「生」まれた人間だけが、「先生」ではない』8月25日

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ウクレレ部長。

すっかり車内で定着した私のあだ名だ。

本人は気にしていないが、

妻は「馬鹿にされている」と

気に入っていない。

ウクレレを始めたのは一年前。

キッカケは、

定年した先輩の一言だった。

「定年前に趣味を探しておけよ」。

その先輩からは、

ゴルフやマージャン、

酒の飲み方から

お得意先との付き合い方まで

多くのことを学んだ。

兄のような人間のアドバイスは

胸に響く。

音楽に興味があったものの、

中・高と野球に没頭していて

ギター少年になり損ねた私は、

こうしてウクレレ中年、

いやウクレレ部長になった。

講座には私よりも

年下の人間がたくさんいる。

彼らからは、

ウクレレの選び方や楽譜の読み方、

オススメのCDなど多くのことを学んだ。

そして大きなことに気づかせてくれた。

そう。

自分が目上の人間にばかり

教えを受けていたことに。

上級生が絶対だ、

と野球部で叩き込まれたからか。

33年の社会人生活を振り返ると、

年上の人間ばかりに物事を教わっていた。

生を受けて55年。

人生の折り返し地点をとうに超えた今、

世の中には年上よりも

年下の人間のほうが多い。

彼らから学ぶことはできれば、

残りの人生を充実していくことができるはずだ。

年下の声に耳を傾けることは

発見があり勉強になる。

このことに早く気づいていれば、

もっと出世していたのかもしれない。

次はギターに挑戦しようと思っていたが、

今は英会話に挑戦したい

と思っていたが、

今は英会話に挑戦したいと思っている。

ウクレレを始めて

ハワイに興味が出てきたのだ。

「定年までに英会話部長になれるかな？」

妻は笑顔で、

「英会話役員を目指したら？」

と答えた。

#1日1キャッチコピー

8/25　ちゅービーカレッジ

新聞　2014年

コピーライター：吉田一馬

（電通西日本広島支社）

広島にある

カルチャースクールのコピーです。

「先生」を辞書で引くと、

意味の１つに

「指導的立場にある人を敬う語」

とあります。

「まわりの人はみんな先生だ」

と思えるようになると、

自分の可能性が

グッと広がりそうです。

引用：2017年12月18日第1刷発行　株式会社ライツ社

『たった1行の言葉との出会いが、アタマではなく、ココロの使い方を教えてくれた。』松浦弥太郎（エッセイスト）

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